ウクライナ侵攻でロシアから撤退した米大手ハンバーガーチェーン「マクドナルド」を代替する露資本のチェーン「フクースノ・イ・トーチカ」が12日、首都モスクワなどで開店し、市民らが行列を作った。この日営業を開始したのはモスクワ市内や郊外の15店舗だが、運営会社は6月末までに全国で200店を開店させ、今後数年間で1千店までチェーンを拡大する予定だとしているそうです
マクドナルドは露国内で約850店舗を展開してきたが、侵攻を受けて営業を停止。5月に保有資産を露企業に売却した。新たに運営会社となった露企業によると、メニューや味は原則的にマクドナルドと同一だが、商標の問題から商品名は変更する。一部のメニューは販売を取りやめる。
1990年に旧ソ連時代にマクドナルド1号店としてオープンし、市民が行列を作ったモスクワ中心部の店舗にはこの日、当時をほうふつとさせる大勢の市民がつめかけた。店舗には「名前は変わっても愛はそのままだ」との標語が掲げられ、正午の開店に合わせカウントダウンも行われた。
マクドナルドのロゴが描かれたバッグを手にした大学生のオリガさん(19)は「店舗の再開はうれしい。今日はシェイクとフライドポテトを頼みたい」と笑顔だった。
一方、店舗内での食事を終えた自営業のワシリーさん(26)は「ポテトの味は落ちた。ロシアがマクドナルドを盗んだようで少し恥ずかしい」と話した。