2021年10月22日

TikTok(ティックトック) チック症

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が始まって以来、体がけいれんしたり、突発的に声を発したりする「チック症」によって病院を訪れる10代の少女が増えている。

 運動障害疾患を専門とする医師らは当初、困惑した。チック症を患う少女は珍しい上、それら10代の子どもたちは症状の数が異常に多く、発症は突然だった。米国、カナダ、オーストラリア、英国の一流の小児病院の専門家が何カ月にもわたって患者を調査し、互いに協議した結果、少女たちのほとんどに共通点があることを発見した。動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」だ。

 医学誌に最近掲載された多数の記事によると、トゥレット症候群だと自ら話すティックトックのインフルエンサーの動画を少女たちが見ていたことを医師は発見した。トゥレット症候群とは、不随意(本人の意思とは無関係)に繰り返し特定の動きをしたり、音を発したりする神経系の障害だ。

 こうした事例を全米規模で追跡調査した人はいないが、小児運動障害を扱う各地の病院が、同様のチック症を患う10代の少女の来院が増えていると報告している。シンシナティ小児病院医療センターの神経科医で、小児運動障害とトゥレット症候群を専門とするドナルド・ギルバート氏は、2020年3月以降、チック症を患う10代の新規患者を月に10人前後診ていると話す。同氏の診療所では、パンデミック前は、そうした患者はせいぜい月に1人くらいだったという。

 ジョンズ・ホプキンス大学精神医学・行動科学科のジョセフ・マグワイア准教授によると、同大のトゥレットセンターでは、小児患者の10〜20%がチック症のような動きを急にするようになったと訴えている。その割合は、パンデミックの1年前は2〜3%程度だったという。

 医師によると、そうした10代の患者のほとんどは、以前にパンデミックによって不安症やうつ病が引き起こされた、または悪化したと診断されていた。ギルバート氏によると、心理的なストレスによる肉体的な症状は、患者が以前目にした他の人の症状と同じように現れることが多い。同氏が過去に診た非てんかん性の発作を経験した患者は、ほとんどの場合、てんかんを患う親族の発作を目撃していた。

 ティックトックでは、チック症のような動きをたくさん目にする。英国の医師のリポートによると、彼らが1月にこの現象の調査を開始した際、「#tourettes」というハッシュタグが付いた動画の再生回数が約12億5000万回に達していた。この回数はその後、48億回にまで伸びている。

 ティックトックの広報担当者は「私たちの優先事項は私たちのコミュニティの安全と幸福であり、この特定の経験をより良く理解するために業界の専門家に相談している」と述べた。

 医師の中には、早急にティックトックのせいにはせず、診察している患者の数は以前よりはるかに多いものの、流行性のものではないと話す人たちもいる。

 マグワイア氏は「ソーシャルメディアを見てチック症を発症する子もいれば、ソーシャルメディアを利用していないのにチック症を発症する子もいる」とし、「不安やうつ、ストレスなど多くの要因があると考えている」と述べた。

 また多くの医師は、一部のトゥレット症候群のティックトッカーについて、その診断名を疑問視しており、女性が大半を占めるそのようなインフルエンサーが動画の中で見せる動き(複数の複雑な運動性・言語性チック)は、トゥレット症候群には見えないと話している。トゥレット症候群は、女児よりも男児に圧倒的に多く、幼いころから徐々に発症していく傾向がある。また、薬で治療することも可能だ。

 ティックトッカーの主張が本当かどうかにかかわらず、彼らを見た10代の若者の症状は本物であり、機能性神経障害を表している可能性が高いとギルバート氏は話す。機能性神経障害の症状には、基礎疾患とは結びつかない特定の言語性チックや異常な身体的動作が含まれる。そうしたチックをなくす方法として、医師は認知行動療法を推奨しており、患者にはティックトックを数週間使用しないよう指示している。

点と点を線に

 過去1年に米ラッシュ大学医療センターに紹介された約30人の10代の若者は、腕をけいれんさせたり、悪態をついたり、頭や首をピクピク動かしたりするなどの不随意行動を示していた。医師によると、多くの患者に自傷行為が見られ、けいれんによってあざや擦り傷ができていた。運動障害を専門とする研究員のキャロライン・オルベラ氏は、多くの若者が英国訛りで「ビーンズ」という言葉を発していることに気づいた。英語を話さない患者でさえもだ。一部の患者は、ティックトックでチック症の人の動画を見たと話していた。

 オルベラ氏は、ティックトックのアカウントを作成し、トゥレット症候群を患っていると話す10代の若者や成人の動画を見始めた。その結果、トゥレット症候群を患う人気インフルエンサーの一人が英国人で、「ビーンズ」という言葉をよく発していることを発見した。

 調査の一環として、そのような動画を3000本調査したオルベラ氏は、ティックトックで最もフォローされているトゥレット症候群のインフルエンサー28人のうち19人が、他の制作者の動画を見た結果、新たなチック症状を発症したと報告していることも発見した。

 これまでにも、チック症のような疾患が集団で発生したことはあった。有名な10年前の事例では、ニューヨーク州北部で10代の若者数人がチック症を発症し、「集団心因性疾患」と診断された。

 テキサス小児病院の神経科医で、小児の運動障害を専門とするマリアム・ハル氏が最近発表した論文によると、そのようなケースはほとんどが特定の地域に限定されていたが、ソーシャルメディアが心理的な障害を世界中に急速に広める新たな手段を提供することになっているようだ。

 さまざまなソーシャルメディアの中で医学界が主に注目しているのが、パンデミックで急成長を遂げたティックトックだ。同社は今月初め、月間ユーザー数が10億人を突破したと発表しており、8月には最もダウンロードされた非ゲーム系アプリにもなった。

 ティックトックは、特に10代の少女に人気があり、多くの調査で10代の少女が選ぶソーシャルメディアアプリの上位にランクインしている。チック症を発症している人たちが登場する動画の多くは、制御不能な体の動きや発声に対処しつつ、ケーキを焼いたり、アルファベットを言ったりすることが、いかに難しいかを伝える軽いノリのものだ。

 自分の「For You」ページに表示されたお薦め動画を一度クリックすると、似たような動画が次々と表示される場合もある。それらの動画は、視聴者がコンテンツに費やした時間に基づいてアルゴリズムが判断している。

 チック症を発症するまでには、動画を何回も見ている可能性が高いとハル氏は指摘する。「何人かの子どもたちが携帯電話を取り出し、自分のティックトックを見せてくれたが、そこにはトゥレット症候群の人たちが料理をしたり、アルファベットを言ったりすることに挑戦する動画があふれていた」

親ができること

 機能性神経障害の治療を専門とする医師によると、子どもが突然、新しいチック症状を示すようになった場合、親にできることがいくつかある。

 ソーシャルメディアの利用を休止させる。ティックトックやその他のソーシャルメディアでどのような動画を見たかを子どもに尋ね、チック症状を示している人の動画を見るのを数週間やめさせる。ティックトックのペアレンタルコントロール機能を使用すれば、親は自身のティックトックのアカウントを子どものアカウントと連携させ、コンテンツの利用を制限することができる。

 専門家に相談する。子どもの日常生活に支障をきたすほど症状がひどい場合は、小児の運動障害を専門とする医師の診察を受けるようにする。早めに介入し、正しい診断を受けることで、問題を早期に解決できる。

 普段通りの生活を続けさせる。「最悪なのは、家でじっとして自分の症状について考えることだ」とギルバート氏は話す。チック症状は変化の時期に増えることがあるため、発作が起きたときには、家に帰るよりも学校の保健室を訪れる方が望ましいと同氏は指摘する。

 過剰反応しない。親は、子どもが制御のきかない体の動きでけがをしないよう、子どもについて回ったり、子どもが汚い言葉を発すると反応してしまったりすることが多い。そうすることで、子どもの行動は悪化するとギルバート氏は指摘する。「彼らに注意を向けないこと。(注意を向けると)症状を止めるどころか、エスカレートさせる」と同氏は話す。他の医師も同意見だ。

 運動をさせる。「私はいつも患者にスポーツやヨガなど、心と体を一緒に使う肉体的な運動をするよう勧めている」とギルバート氏は話す。「それに裏付けがあるわけではないが、何かやることを患者が持つことになる」
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2021年09月26日

ワクチン承認制度見直し

政府は、ワクチンの承認審査のあり方を見直す方向で近く本格的な検討を始める。新型コロナウイルスのワクチンの承認が欧米から2カ月ほど遅れたことが背景にある。これまでよりも迅速な承認をめざすが、安全性との両立が最大の課題だ

■欧米から2カ月遅れの承認

 新型コロナのワクチンは欧米では昨年12月に米ファイザー製などの使用が認められ、接種が進んだ。

 一方、日本で新型コロナのワクチンが初めて承認されたのは、ファイザー製で今年2月。5月に入り、米モデルナ製、英アストラゼネカ製が続いた。いずれも、海外で販売が認められた医薬品について、国内の審査を迅速に進める「特例承認」が適用されたが、それでも欧米から2カ月遅れになった。

 遅れの理由の一つと指摘されているのが、厚生労働省が国内の治験データの提出を企業に求めたことだ。審査を担当する医薬品医療機器総合機構(PMDA)は、ワクチンの有効性や安全性には人種による差もあるとして、海外で有効性が認められたワクチンでも、国内でも治験が必要と判断した。

■国内での追加治験はなぜ必要だったのか

 一般的にワクチンは健康な人にも広く接種するため、高い安全性が求められる。日本では過去に接種後の副反応などで訴訟が相次いだ経緯もあり、安全性への意識が強いと指摘されている。今回は「m(メッセンジャー)RNA」など新しい技術が使われ、慎重な扱いを求める声もあった。

 海外に拠点を置き、世界を広く市場ととらえるメガファーマ(巨大製薬企業)から購入するという事情も影響した。ファイザーは海外で4万人あまりを対象にした臨床試験(治験)の結果をもとに昨年12月に承認申請。だが、アジア人のデータは少なく、中でも日本人に限定して調べてはいなかった。このため、日本人160人を対象にした国内の治験データを同社が今年1月末、追加で提出。その後、承認された。

 だが、パンデミック(世界的大流行)の中、海外で有効性が認められていれば国内治験を不要としていいのではないか、との意見も政権内にある。

 国内治験を求めるかどうかは、PMDAの判断で決めることができる。法改正などは必要なく、現在の制度でも省くことは可能だ。厳密な手続きを踏む治験を増やすのは、企業にとって負担が大きい。厚労省幹部は「大規模治験のデータがあるのに、さらに国内の治験データが本当に必要とするのか、ワクチンの安全性と審査スピードのバランスをどう考えるのか、検討する意味はある」と話す。
posted by かーくん at 08:36| ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年08月24日

コロナで自宅療養中 死亡

東京都は23日、新型コロナウイルスに感染して自宅療養中に死亡した70代女性が、今月11日に陽性と判明した後、入院調整で受け入れ先が1週間以上見つからないまま19日に亡くなったと明らかにした。

東京、入院患者4000人超す コロナ新規感染は2447人

 都によると、70代の女性は11日に陽性と判明。軽症だったが、高齢で糖尿病などの基礎疾患があったため都が入院先を調整し、受け入れ先が見つからないまま19日に意識を失っているのを家族が見つけ、搬送先で死亡が確認された。

 50代男性も軽症との判断を受け自宅療養中、容体が急変し亡くなった
posted by かーくん at 09:03| ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする