2021年08月20日

子供から親へ感染増加

全国で新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、従来株よりも子供の感染リスクが高いとされるインド由来の変異株「デルタ株」への置き換わりが進み、子供から親に感染が広がる事例が増え始めた。医療現場からは、感染拡大の「第5波」で「今までと局面が変わった」との指摘も。子供同士の接触が増える新学期を前に、関係者はどのように子供の感染を防ぐか苦悩しているそうです

厚生労働省のまとめなどによると、新規陽性者全体に占める10代以下の割合は、7月12〜18日に14・7%だったが、8月2〜8日には17・1%に増加。1カ月ごとの数字も3月以降、増加が続いており、7月には過去最高の14・8%となった。

■9歳以下は1千人超

流行するウイルスの約8割がデルタ株に置き換わった大阪府では特に7月中旬以降、9歳以下の子供の感染者が急増している。8月2〜15日の2週間に府内で確認された9歳以下の感染者は、千人を超えた。多くは親などからの家庭内感染だが、約2割は感染経路が不明。保育園などでのクラスター(感染者集団)も複数確認されている。

兵庫県立こども病院で感染症内科部長を務める笠井正志医師は「第5波の入り口段階で子供の感染者が増え、それまでと局面が変わった印象だ」と指摘する。重症化はしなくても高熱が出る子供がいるといい、「子供が親より先に感染し、家庭内で広がるパターンも増えている。デルタ株は感染力が強く、家族全員が感染することもありうる」と警鐘を鳴らす。

同病院では新型コロナに感染した子供が入院できるよう、7床を確保。18日現在、満床には至っていないが、各地の病院で受け入れが難しい子供を多く引き受けることになれば、病床が逼迫(ひっぱく)する事態も想定される。新学期が始まればさらに子供の感染者が増える可能性もあり、笠井医師は「コロナに感染した子供を受け入れられる病院は少ない。どうやって子供を守るのかという視点で対策を考える必要がある」と話す。

■少ない重症化

ただ、子供の重症化事例はほとんどなく、多くの学校では感染対策を徹底しながら新学期の通常授業を始める見通しだ。大阪府の吉村洋文知事は18日の対策本部会議後の記者会見で、「子供同士で感染が広がれば、家庭に持ち帰り、重症化しやすい親世代に広めてしまう」と警戒感を示し、学校に対して感染対策の徹底と、今後の感染拡大に備えたオンライン学習の準備などの対応を求めた。

学校現場でも警戒を強めている。ある大阪市立中の校長は「学校でクラスターが発生し、長期の学級閉鎖になることも考えられる」と苦悩。マスクや消毒といった従来の感染対策に加え、「教室内に抗ウイルス加工を施すなど新たな対策を講じる必要がある」と話した。感染への恐怖から小学6年の次女(12)が欠席しがちになったという母親(44)=大阪府吹田市=は「十分な対策がないまま学校が始まるのは不安。感染が一気に広がってしまうのでは」と懸念を口にした。
posted by かーくん at 07:55| ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする