2021年02月09日

松本まりか

約1か月にわたり随時掲載してきた「今年の顔」。20人目となるラストを飾るのは女優の松本まりか(36)だ。18年のテレビ朝日系ドラマ「ホリデイラブ」での“怪演”で一躍ブレイクし、デビュー20周年の昨年、さらに大きくステップアップ。「全速力で走りきった」と仕事に没頭した1年を経て、21年は「一つ一つのお仕事と丁寧に向きあって、一回一回感動していきたい」と新たな自分自身への出会いに胸をときめかせているそうです

 20周年の節目となった昨年は、コロナ禍にもかかわらず連ドラ4本、写真集発売に加え多くのバラエティーからもオファーが絶えない活躍。息つく間もない忙しさだった。「去年の、特に後半はすごく猛ダッシュだった。自分の中でやりきったって思えたのが、初めての感覚で。どんな結果にしろ、全速力で走りきったってことがすごく大事だったと思います」と振り返る。

 36歳での本格ブレイクを「遅咲き」という人もいるかもしれない。「ホリデイラブ」での演技が話題になるまで、自身の芸能人生は葛藤の連続だった。「お仕事はとっても少なくて、1個1個のお仕事だけが私の生きがいだった。役をやっているときだけが息の吸える場所で。でも現実的に、全然求められていないし『もうやばいな』と思ったことはありました。ずっと売れない世界を見て、すべて見きったな、と。『ホリデイラブ』の話がきて、売れる売れないとかじゃなく、役に恋するというか…。また生きる場所が与えられたと思いました」

 独特の声や愛くるしい表情が「あざとかわいい」と話題になり、今や松本の代名詞になった。「女性から嫌われがちな声や顔立ちがずっと自分のコンプレックスだった。でも、今女性からすごく熱く注目してもらえていて」。インスタグラムのフォロワーの大多数は20〜30代の女性。「このままの自分を受け入れてもらえたのがすごくありがたい。このまま生きていくしかないって開き直れたっていうのは、私が変わるきっかけだったのかなって思うんです」と語る。

 「『売れたい』とは思わなかった。でも『売れてる人と同じぐらい素敵(すてき)な人になりたい』と思い続けてきました」と松本。「この年になって人生が変わるミラクルみたいなことが起きるんだって。このあともそういう変化を楽しみたいし、でもそのためには自分がそれを超える自分になっていないと。すごいモチベーションになっています」と女優力だけでなく人間力も向上していくつもりだ。

 今年も作品のオファーは尽きない。4月期のフジ系ドラマ「最高のオバハン 中島ハルコ」では、怪演のイメージとは真逆の受け身の女性役を演じるほか、重厚な作品への出演も決まっている。「違う役どころを同時期に見てもらえるのはすごくうれしい。『松本まりかにミスキャストじゃない?』という役も『合いすぎだろ』っていう役も両方やりたい。去年の後半、猛スピードで駆け抜けたぶん、今年は一つ一つのお仕事に丁寧に向きあって、感動し続けたい」とさらなるステップアップを誓った。



 ◆葛藤受け入れる優しさ…取材後記

 忘れられない記憶がある。19年秋、写真集「月刊松本まりか 汀」のイベントを取材したときのこと。これまでの歩みを尋ねるような質問を投げかけたところ、松本が答えながら突然、涙したのだった。彼女の芸能人生に思いをはせて胸が苦しくなったし、同時に晴れの場で泣かせてしまったことを負い目に感じていた。

 今回「あの質問、実は私が…」と打ち明けると、松本は勢いよく立ち上がり「ずっと探してたんです!」と再会を喜んでくれた。「上っ面の言葉ではなく、あの瞬間一気に本音が出た。私にとっての突破口。よくぞ聞いてくれました」。彼女は苦しみや弱さもまっすぐに受け止め、それを魅力へ還元できる優しさを持っている。こちらが救われる思いだった。コロナ禍の今、みんなそんなに強く生きてはいられない。葛藤を受け入れる松本の生き方は、いま苦しんでいる誰かの背中をそっと押すはずだ。



 ◆松本 まりか(まつもと・まりか)1984年9月12日、東京都生まれ。36歳。中学生の時に原宿でスカウトされ、2000年のNHKドラマ「六番目の小夜子」でデビュー。映像だけでなく声優や舞台でも活躍したのち、18年、テレビ朝日系ドラマ「ホリデイラブ」での演技が話題に。昨年12月に発表した写真集「MM」は重版がかかるヒットとなり、順調に売れ行きを伸ばしている。
ラベル:松本まりか
posted by かーくん at 09:19| 芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする