2020年01月17日

スーツ型作業着

今、ファッション業界に、大きな変化が起きています。

 流行の服が安く買えると人気だった「フォーエバー21」と、「アメリカンイーグル」が、相次いで日本市場から撤退。ファストファッション離れの波が、押し寄せているようなんです。

 そんな中、今年ファッション業界の台風の目となりそうなのが、『作業着』。

 普段着に作業服?職人が着るものじゃ…といったイメージがあるかもしれませんが…。

薄田ジュリアキャスター:
「作業服を販売しているお店なんですが、店内には女性客やファミリーのお客さんが目立ちますね。このお店の人気の秘密を探ってみましょう」

 作業着専門店・大手のワークマンが一般のお客さんをターゲットに2018年からショッピングモールを中心に展開しているお店「ワークマンプラス」。

 ここ最近、作業着専門店がとてもおしゃれに生まれ変わっていて、女性客が殺到しているというのです。店舗数も急増していて、「ワークマン」の店舗数は今、ユニクロよりも多い860店で、売り上げは過去最高の930億円超え!

 作業着業界に何が起きているのでしょうか。

薄田キャスター:
「こちらのベスト、パッと見ではわかりませんが、裏地にはアルミプリントが施されていて、非常に軽くて薄いのに保温性に優れている商品なんです。しかもお値段が税込みで1900円!(※取材時)とってもお得ですよね」

 寒い屋外での作業用に開発されたアルミプリントのベスト。さらに、元々厨房での作業のため作られたシューズには、意外なニーズが…。

女性客:
「(地面が)凍るでしょ?これから雪で。その時よく滑りそうになって怖かったから、これがあったら安心かな」

 雨や雪の日でも“滑りにくい”と、高齢者や妊婦の間で大人気に。また、雪深い所での作業向けに開発された防水手袋は…。

男性客:
「サーフィンするんですけども、海入る時用に、ちょうど使えそうだなと思って」

 職人以外の人にも使い道があるというお客さんの声を受け、ワークマンは一般向けの出店を決めました。

ワークマンの担当者:
「ワークマンっていうと他の作業服屋さんもそうかもしれないですけど、なかなか普通の人が入りづらいイメージがあるじゃないですか。なので、折角ならワークマンの製品はアウトドアやスポーツに使ってもらえるので、こういう店を出せば、皆さんの目に触れる機会が多くなるんじゃないのかなと」

薄田キャスター:
「ワークマンプラスの方が、少し値段が上がるんですか?」

ワークマンの担当者:
「一緒の値段です。実は、ワークマンプラスとワークマンは全く同じものを売ってるんで、一緒なんですよ」

 ワークマンプラスでは、ワークマンの1700アイテムから選りすぐったおよそ200アイテムを販売。同じ商品を扱っていても、売り方には仕掛けが。

 例えば、ワークマンでは無造作に並んでいた防風ジャケットが、ワークマンプラスではオシャレに陳列。服をマネキンに着せたり、照明を工夫したりと、演出が“プラス”されると、同じ商品でも全く違った印象を受けます。

建設業の男性客:
「社長にオシャレしたいですって言ったらOKもらったんで。それでちょっと買いに来て」

女性客:
「普通のワークマンと違ってオシャレやなと思って、来てみようかなと思って」

 プロ仕様の高い機能性と、商品をより魅力的に見せる演出がヒットの秘訣のようです。

■“西のワークマン”も登場

 ただ、こうした人気は、ワークマンだけではありません。今、大阪発祥の作業着メーカーが、おしゃれな服を売り出していると、話題になっています。

薄田キャスター:
「店頭のマネキンが、めっちゃ飛んでます!さらにこっちのマネキンなんて、バク宙してますね。こんなアクロバットな動き、作業員さんはしないと思うんですけど…」

 アクロバットなマネキンが目を引くのは『たまゆらアスレ』。大阪発祥の作業服専門店「たまゆら」が去年、大阪市鶴見区に出したお店です。

 自社で開発した製品が人気のワークマンに対し、たまゆらが目指すのはズバリ「作業着のセレクトショップ」。

 店内には、自社で開発した商品だけでなく、他社のおしゃれな作業着も陳列されているんです。

たまゆらの担当者:
「セレクトショップをすることにより、新たな商品に切り替えていけるっていう大きな利点がございます」

 色々なメーカーの作業着を取り揃えることで、商品開発のコストも浮きます。そして作業着メーカーには、職人以外の客層に商品を知ってもらえるというメリットがあるのです。

 店頭には400社以上のメーカーから選りすぐった商品が並んでいます。一見、普通のジーンズも、水をかけてみると水滴をきれいに弾く撥水機能が。

たまゆらの担当者:
「様々な機能があるものを、作業服業界、作業服の中では当たり前でも、一般の方にまだまだお伝えしきれてないものがたくさんございます。それを少しでもこのお店を通じて、皆さんに情報ソースとして発信していければと思っております」

■「デートに行ける」自社向け作業着が大ヒット商品に

 そして、もう一つ注目の「作業着」を発見。どう見てもスーツにしか見えない、『スーツ型作業着』です。

 開発したのは、作業着メーカーではなく、水道会社・オアシスソリューション。

広報担当者:
「業界的に建設業は若手の採用っていうのに特に苦しんでいて、何か社員のモチベーションを上げつつ、採用面でも何か効果があるものが作れればということで、社内プロジェクトとして、ユニホームを新しく自分たちで作ろうっていうのが立ち上がったんですね」

 現場の泥臭いイメージを変えようと、従来の作業着を一新。見た目はスーツですが、ストレッチ性があり伸縮自在。撥水機能もあるので雨に濡れても安心で、水洗いもOKのため、クリーニングに出す手間も省けるという優れモノなんです。

同・広報担当者:
「家事にかける手間が減ったっていうのでかなり奥様も大満足みたいな声はいただきますね」

同社の社員:
「やっぱりこういったカチッとしたものを着ることによって、髪型とか身なりに気を遣うようになりました」

別の社員:
「仕事終わりに、このまま飲みに行ったりしますね。デートもします。全然行けるので」

 元々、社内向けに作ったユニホームでしたが、すぐに評判がクチコミで広がり、注文が殺到。

 建設業や運送業、酒造メーカーなどおよそ330社が制服として採用し、発売から1年で売り上げは1億円を突破しました。去年11月からは、人気のセレクトショップ「アーバンリサーチ」でも販売しているんです。

薄田キャスター:
「作業着スーツをこの店で扱うようになったのは、お客さんのニーズが変わってきたということですか?」

アーバンリサーチ ルクア店の店長:
「そうですね、もう本当に時代と共にかなり変わってきてるなと思います。やはりホームケアできるラクチンさとか、快適性っていうのが非常に求められています。着るのがラクで、朝の時間がすごく空いて、日常的に全てが快適になるんじゃないかなとは思います」

 見た目も機能性も進化を遂げた作業着。次は、どんな作業着が生まれるのでしょうか。
posted by かーくん at 08:52| 話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする