2015年11月07日

紅葉

深い緑が、鮮やかな黄や赤に−−。落葉樹のこうした変化には、葉っぱに含まれる色素が関係している。

 そもそも、葉っぱが緑色なのは、光合成に必要な光を吸収する物質として、細胞内に緑の色素「クロロフィル」や黄の色素「カロテノイド」があるからだ。国立科学博物館付属自然教育園の萩原信介特任研究員によると、秋になって気温が下がり、日照時間も短くなって光合成の効率が落ちると、落葉樹は休眠に向け葉を落とす準備をする。この際、緑のクロロフィルは分解されて枝や幹に回収されるが、黄のカロテノイドは長く葉にとどまる。このため、葉っぱが黄色に変わるという。

 赤くなる仕組みは、これとは異なる。光合成で作られた糖分は普段、管を通って葉から枝へと運ばれる。落葉が近付くと、葉と枝の間にこの管をふさぐ層ができ、糖分が葉にとどまるようになる。この糖分が、赤い色素「アントシアニン」に変化するのだという。イチョウにはこの回路がないので、葉は赤くならない。

 アントシアニンが作られる反応は、最低気温が8度以下になると進む。一方、原料となる糖分をためるには、葉がたっぷりと光を浴びておく必要がある。つまりカエデが美しく紅葉するのは「昼は日が当たって暖かく、夜は冷えるような環境」(萩原さん)。カエデをよく見ると、同じ葉でも光が当たらなかった部分は赤くなりにくいそうだ。

 落葉直前の葉で、赤い色素を作る利点はあるのだろうか。「紫外線から身を守るため」などの説があるが、はっきりとは分かっていないという。

 各地の紅葉はいつごろからなのだろう。気象庁は1953年から、全国各地の特定のカエデ(標本木)について、大部分の葉が赤くなった日を「紅葉日」として観測している。これを地図に落とすと「紅葉前線」が南下していく様子が分かる。

 多くの観光客が訪れる京都市。紅葉狩りは秋のイメージが強いが、紅葉日は80年代から遅れ始め、2006年以降はいずれも12月だった。最も遅かったのは11年の12月14日。最も早かった76年の11月10日とは1カ月以上の差があり、龍谷大の増田啓子教授(環境気候学)は「50年で15日ほど遅くなっている」と指摘する。

 さらに遅くなっているのが日本海側の舞鶴市で、以前は京都市より紅葉が早かったが、80年代後半からはほぼ同じになったという。「温暖化で日本海の海水温が上昇した影響だと思う」と増田教授。

 こうした紅葉の遅れは全国的な傾向だ。気象庁の観測では、全国51の調査地点のうち37カ所は最も早い紅葉日が50〜70年代に記録され、34カ所は最も遅い日が2000年以降だった。05年の長崎市、07年の佐賀市は、ともに紅葉日が年を越し翌年1月となった。

 気象庁の「異常気象レポート2014」によると、紅葉日はここ約60年で見ると、全国的に10年につき3日のペースで遅くなったという。観測地点の10〜11月の平均気温は10年で0.3度上昇しており、これが影響しているとみられているようです
ラベル:紅葉
posted by かーくん at 14:45| Comment(0) | 話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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