関西テレビは27日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、同局制作の5番組の一般観覧を3月10日まで中止すると発表した。
3月8日に行われる「R−1ぐらんぷり」決勝も例外とはならず、一般の観覧を行わないことが決定。他に「胸いっぱいサミット!」「快傑えみちゃんねる」「ちゃちゃ入れマンデー」「ウラマヨ!」の4番組が該当する。11日以降は、どうなるか決まっていない。
それにしても、お笑いの賞レースが無観客で開催されることなど、前代未聞の異常事態なのは間違いない。さらに準決勝の敗者の中から1組が復活する「復活ステージ」も観覧中止が決定。こちらは有料のイベントのため、チケット購入者には払い戻しを行うことが発表されている。
お笑い関係者は「R−1は、『M−1グランプリ』『キングオブコント』と並んで、芸人の間では“3大賞レース”と称される。この3つの中でも、無観客となる影響が最も大きいのはR−1なのでは。笑い声が聞こえない中、1人でネタをやりきるのは地獄でしょう」と指摘する。
周知の通りM−1は漫才、キングオブコントはコントの大会。
「コントはネタに入ってしまえば、役になりきって演じるだけ。コントほどではないが、漫才もネタに入れば、笑い声がなくても何とかなる。でも、R−1はどちらかというと宴会芸みたいなネタが多いから。特に裸で出てくる芸人はつらいでしょう」(同)
過去に“裸芸”をネタにした芸人といえば、2017年に優勝したアキラ100%が最も有名だろう。おぼんで股間を隠し「イチモツが見えそうで見えない」というネタで一世を風靡したが…。
「あのネタを観客がいない中、やるのはつらすぎるよ。笑い声なしでシーンとした中、股間を隠し通しても拍手も起きない。アキラはネタの中で『ひやひやしたんじゃない?』と観客に呼びかけることがあるが、それすらできないわけだから」(テレビ局関係者)
16年に優勝したハリウッドザコシショウも、ほぼ裸の姿で登場し、誇張したモノマネというネタを披露したが「これも客がいない中でやってもつらすぎる。今年の決勝進出者では『ななまがり』森下直人が裸に近い格好で準決勝に出ていたが、彼には地獄かも? でもそもそも観客の笑いの量がなかったら、何をもって審査したらいいのかすら分からないよね?」(同関係者)。
あるお笑い芸人は「客のいないところでやるピンネタは地獄。出場者全員がスベってるみたいになるし、今年のR−1は地獄絵図になるのでは」と、恐ろしい予想を立てていた。
また、今年のR−1決勝は、別の角度からも注目されている。
「昨年まで司会を雨上がり決死隊が務めていたが、闇営業問題で宮迫博之が吉本興業を辞め、地上波への出演ができなくなったから、誰が司会をやるのか注目されていた。もちろん相方の蛍原徹が1人でやる可能性もあるけど、無観客でやるとなると、例年以上に司会の役割が大きいから、誰か別の芸人と2人でやるのでは」(芸能プロ関係者)
番組サイドは演出をどうするかなど対応に大わらわだが、一方で「今回の騒ぎは逆にプラスになるかも」との見方もある。
「無観客のお笑い賞レース自体、前代未聞だし、『ちょっと見てみよう』と思う人も多いのでは。そもそも新型コロナウイルスの影響で外出しないで家にいる人が多いから、視聴率が上がる可能性もある。司会者も注目されてるし」(前出のテレビ局関係者)。災い転じて福となす…かも?
【3・8生放送 12人で頂点争う】「R−1ぐらんぷり2020」は、決勝進出者11人に「復活ステージ」を勝ち上がった1人を加え、12人で優勝を争う。出場者は4人ずつに分かれてA、B、Cの3つのブロックに入り、各ブロックを勝ち上がった3人による最終決戦で優勝者が決まる。優勝者には賞金500万円が贈られる。
出場者はAブロックがメルヘン須長、守谷日和、SAKURAI、「マヂカルラブリー」野田クリスタル、Bブロックがルシファー吉岡、「ななまがり」森下直人、「パーパー」ほしのディスコ、「すゑひろがりず」南條庄助、Cブロックがヒューマン中村、おいでやす小田、ワタリ119、そして復活ステージ1位となっている(ネタ披露順)。
決勝の模様は、3月8日午後7時からフジテレビ系で生放送される。
ラベル:R−1ぐらんぷり2020