2016年12月04日

M-1グランプリ2016

今、一番面白いコンビを決定する漫才頂上決戦「M-1グランプリ2016」がいよいよ本日、決勝を迎える。すでに決勝進出を決めている8組に加えて、14時30分より開催される敗者復活選を勝ち上がる1組の合計9組のうち、栄光を掴むコンビは

@アキナ

 「キングオブコント」で決勝進出した実績のあるコンビだが、「M-1」決勝は初である。ボケ担当山名君とツッコミ担当秋山君の正統派コンビ。漫才コントに関する山名君の演技力は素晴らしい。そして、しっかりと聞き取りやすい秋山君のツッコミ。技術力に関してはピカイチのコンビではないか。ただ今回はネタ順がトップ。この順番で最終3組に残るためには、5番目の「スリムクラブ」までは、確実に印象を残して逃げ切りたい。漫才の手法はスタンダードな「アキナ」はもう少しテンポをあげてボケ数を増やし、尚且つインパクトのあるワードを観客と審査員の脳にこびりつかせておきたいところだろう。完全に温まっていない観客に対してスロースタートは危険。らしくないだろうが、トップギアで挑んでもらいたい。個人的には俺と同じ「目が離れている」秋山君にはぜひ頑張ってもらいたい。

Aカミナリ

 こちらも決勝初進出。ボケの竹内君とツッコミの石田君による茨城県出身の幼馴染コンビ。今回の決勝メンバーの中で1番知名度が低いコンビであり、漫才の手法も異質である。だからこそファーストインパクトは凄まじいだろうと想像する。石田君の「激しさ」と竹内君の「顔」に度肝を抜かれることは間違いない。ただ構造上、漫才開始1分弱は「ネタ振り」に時間を要するため、その回収作業で、爆発しなければ命取りとなる。ボケ数が稼げない分、1発の破壊力にすべてをかけるしかない。異質な漫才ならば数多くのコンビと比較してもらい高得点をあげたいところだが、出番順は2番ということで、その時点の比較コンビが「アキナ」しかいないのが残念である。会場の空気を作るタイプの漫才でもないので、「アキナ」が大ウケして観客を温めて、そして、自らも大ウケして「アキナ」を点数で上回る。これこそが「カミナリ」の最終決戦進出へのプランとなるだろう。

B相席スタート

 決勝初進出の2人はツッコミ担当の「男前」山添君とボケ担当の「ちょうどいい感じのブス」山崎さんの男女コンビ。男女の恋愛、それにおける女性の心理を様々な角度で例えたりしながらボケる山崎さん。その理論はまるで「山崎教」と名乗ってもいいほどの説得力がある。しかし、そこに至る過程に山添君の巧みな技術があることを忘れてはならない。よく観察すると、このコンビも異質な部類だと思うが、前の出番がそれ以上に異質な「カミナリ」であり、認知もされつつある「相席スタート」は若干不利な面は否めない。そして、スロースタートなコンビ。だからこそ、過去に類のない「説法」で山崎さんは客席にいる女子のハートを居抜き、山添君は客席にいる男子の代弁者となって「アキナ」と「カミナリ」を脳裏から消し去るしかない。

C銀シャリ

 3大会連続3回目の決勝進出、前回大会準優勝。今大会優勝候補の一角である。ボケ担当鰻君とツッコミ担当橋本君は、揃いの青いジャケットに身を包み「昭和の漫才師」のような雰囲気を醸し出しているが、実際の漫才スタイルはまさに平成の流行りのスタイルであるツッコミが目立ち笑いを取る漫才だ。橋本君から溢れるツッコミの表現力は秀逸であり、それが「銀シャリ」のすべてといっても過言ではない。ただそれだけに「銀シャリ」の喋る比率はだいたい「ツッコミ8:ボケ2」となる。これが逆であるならばテンポが作りやすいが、ツッコミというネタにストップを掛ける側が「8」なので、どうしてもテンポが平坦になり、山場を作りづらい。しかし、前回大会、二人であわせ技をすることによりうまく山場を作り、準優勝。今回、ネタ順も4番という好位置であり、それまでのコンビはいずれも初出場組。緊張から本領を発揮できなければ、観客の渇望感から爆発することは想像に難くない。やはり大本命である。

Dスリムクラブ

 2大会ぶり2回目の決勝進出、「最後のM-1」と言われた2010年、第10回大会で大ブレイクを果たしたボケ担当真栄田君とツッコミ担当内間君の沖縄出身コンビ。「『M-1』はボケ数を競う競技ではない」とばかりにスローテンポで味を醸し出す2人のやり取りは未だに色褪せることがない。ただし、2人の漫才の手法自体は観客も審査員もわかっているはずである。だからこその上積みは期待されるところだろう。前の出番である「銀シャリ」橋本君のセンスあるツッコミ台詞に対して、真栄田君のセンスあるボケ台詞が比較対象となる。そこを凌駕すれば高得点は期待できる。あと、真栄田君のボケに対して、内間君は一言返すのだが、笑う観客をどの程度まで引っぱるのか? この絶妙の「間」がスリムクラブの生命線であり、命運は内間君が握っている。

Eハライチ

 4大会連続4回目出場。ボケ担当岩井君とツッコミ担当澤部君による幼馴染コンビであり、すでにお茶の間でも大人気のコンビである。今大会出場コンビの中で最多出場である2人は、「ボケに乗っていく」という手法が認知されすぎたためか、前回大会では漫才コントを「ハライチ」風にアレンジしてみたものの審査員にハマらず最下位に沈む。それでも今回きっちり決勝に残ってくる所は大したもの。出番順の「銀シャリ」、「スリムクラブ」、「ハライチ」と続く「M-1」常連組の流れ、橋本君、真栄田君の「センス」に、澤部君は「ノリ」でどう太刀打ちするのかが見もの。すべてを飲み込んでしまい高得点もありえるだろう。そして、淡々とボケを言い続ける岩井君が変化を見せた時、新たな「ハライチ」のページがめくられることだろう。それを今大会に期待したい。

Fスーパーマラドーナ

 2大会連続2回目。ひ弱そうなボケ担当田中君とヤンキーのようなツッコミ担当武智君によるコンビである。田中君がある出来事を再現し、それに武智君がツッコむという手法であり、スタンダードな漫才ではあるが、「種まき」が非常にうまいコンビだ。「種まき」とはネタ振りのことであるが、そのネタ振りを序盤に放ち、後半、「ここぞ」という時にボケて大きな笑いを作る。観客に序盤のネタ振りを忘れられても、しっかり覚えられていても、大きな笑いにはならない。だから要所で武智君がもう一度振りのための台詞を挟み込む。それが絶妙なタイミングであり、ネタの構成力も素晴らしい。「スリムクラブ」と「ハライチ」が爆発したらスタンダードな分、不利な得点になるかもしれないが、安定感では上。そこまで低い点数を出すコンビでもない。出番順も加味すれば、最終決戦3組には残る可能性は高いのではないかと予想する。

Gさらば青春の光

 「キングオブコント」に4度決勝進出している森田君と東口君からなる「さらば青春の光」ではあるが、「M-1」に関しては今回が初の決勝進出となる。どちらかといえば、コントを主戦場にしている彼らのネタの切り口は、漫才というよりも「立ち話のようなコント」である。だからボケ、ツッコミという区分けは明確にない。しかし、彼らの立ち話は人間の心理、心情をうまくとらえて、観客のハートを突き刺し、爆笑を誘うのだ。ネタ作りを担当する森田君は、絶対性格が悪いと想像する。性格が悪いからこそ、ここまで人間を理解できて、その部分をネタにして晒すことができるのだ。森田君は「悪魔に魂を売った天才」である。芸人ならば誰もが認める2人だが、審査員が「自分を投影して」審査をするならば評価は分かれるかもしれない。「認めたくない」という審査員がいる恐れもあるが、それを跳ね返すだけの力はある。

H敗者復活枠

 昨年より敗者復活戦は地上波で生中継されることになり、視聴者投票によって決定することになった。これは仕方のないことなのだが、やはり知名度のあるコンビが有利なのは否めない。だから今回はあえて、まだあまり知名度はないが、とてもおもしろい「霜降り明星」「Aマッソ」「マヂカルラブリー」を推薦したい。3組とも今回、敗者復活戦を勝ち上がれなかったとしても、来年以降、決勝の舞台でお目にかかれるのではないかという実力の持ち主である。中でも女性コンビ『Aマッソ』、初の女性「M-1」王者は彼女たちが手にするやもしれない。

 最後に敗者復活戦から優勝するというシンデレラストーリー。これを完成させる可能性があるコンビを紹介したい。そのコンビはヨシモト大阪所属の兄弟コンビ「ミキ」である。兄弟ならではのテンポ、ボケの展開もいい。そして、何より勢いがあり、舞台を支配する力、それまでの流れをぶっ壊す力がある。昨年より敗者復活戦を勝ち上がったコンビは、8番目のネタ終了後発表され、即ネタとなり、勢いが加わる分、今まで以上に敗者復活組は有利な状況となっている。それを踏まえて「ミキ」にはすべてをひっくり返す力がある。敗者復活から優勝できるのは「ミキ」だと予想する。彼らを見ていると、勢いに任せてぶっ飛ばしていた若かりし頃の自分を思い出す。そして、兄弟コンビ。まさに「中川家」と「ハリガネロック」を足したようなコンビが「ミキ」なのだ。今、脳裏に浮かぶのは「第1回M-1グランプリ」での「中川家」との激闘。
posted by かーくん at 12:38| Comment(0) | 話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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